川島誠「セカンド・ショット」

セカンド・ショット (角川文庫)

セカンド・ショット (角川文庫)

読了。テスト期間中でも気分転換に軽く読める短編集を、と思って購入した。角川文庫のブックカバーも欲しかったし。川島誠といえば他の追随を許さないその爽やかさが最大の特長だと思うんだけど、今回はテイストの違った作品も幾つか含まれていて驚いた。「田舎生活」はかなりダークだし、「今朝、ぼくは新聞を読んだ」は澱んだ空気。「セビージャ」は格好つけたすかした感じが誰か(石田○○)さんを髣髴とさせて気持ちが悪かった。表題作「セカンド・ショット」は◎!これが川島誠だぁ。しかしそれよりも「サドゥン・デス」と「悲しみの池、歓びの波」がさらに抜群。特に前者は川島誠特有の疾走感もあって大満足。そんな感じで一進一退の作品が並んでいたのだけど、最後の「消える。」が嫌な感じの締め方で読後感はあまりよろしくない。そういうのを求めてないんだよなぁ、と押し付けるのは一読者として傲慢か。
とりあえず半分は楽しめたのでいいかなぁ。気分をフレッシュにさせたいなら、上記三作品のみを読むべきかと思います。