ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ (角川文庫)

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ (角川文庫)

角川夏の100冊に選ばれていたので再読。蒸し暑い夜に悶々とした心境で読むのに最適で一気に読了。深夜二時なり。
一年位前に読んだときにはもっと感慨深い感想を持ったのだけど、今回はだめだったなぁ。「I love you」の後に読んだのがいけなかったか。あれだけの実力派作家たちの後に読んでしまうとどうしても筆力の差を感じてしまった。
でも、やはり好きな小説だ。文庫p.115からの空気の変わり方がいい。そこからがこの小説の本領部分なんだと思う。言いようのないもがく様な鬱積した感情と格闘する姿を巧みに描き出している。チェーンソー男とか美少女戦士とか、その手段は好きになれないけど目的(目指す方向)は思いっきり僕のツボ。独特の感情を上手く書き上げてくれたと思う。浅はかな軽いノリと文章力は気になったけど、読んで損はない作品。
あと、この設定*1について軽く調べてみると、どうやらこれが“萌え”というものらしい。ふーむ、自分には理解できない範疇だな。

*1:美少女戦士の要素とか