絲山秋子「袋小路の男」

袋小路の男

袋小路の男

指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。"現代の純愛小説"と絶讃された表題作、「アーリオ オーリオ」他一篇収録。注目の新鋭が贈る傑作短篇集。第30回川端康成文学賞受賞。
表題作には全く共感できなかったけど、「アーリオ オーリオ」が素晴らしかった。

現場作業の後で工場内の風呂に入っても、哲は家に帰ると必ずシャワーを浴びた。

とかさ。こういう描写がその人物をぐっと魅力的にしてくれるんだわ。相変わらず人物が魅力的(完全主観)。美由の純粋さと哲の真摯さが、もう。