本谷有希子「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
- 作者: 本谷有希子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/06/30
- メディア: 単行本
- クリック: 74回
- この商品を含むブログ (135件) を見る
最後まで読み切ってやっと報われます、読者が。
他者からの評価でしか自分を認めることができない故の崩壊と絶望。虚栄心のむごさ。しかし怖いよ、あの人(ネタバレになるので誰かは書かない)。残酷な物語でした。
僕はどちらかと言えばストーリー性よりも文章力を求めます。だから福井晴敏も読んでません*1。今回も自分としてはなかなか辛い一冊でした。なるほど、もともと作家さんじゃないのね。
追記
って、あれっ?↑の書籍紹介文*2ってあまりにも語りすぎじゃないかと。ネタバレでないのか、これは?
日日日「うそつき―嘘をつくたびに眺めたくなる月」
- 作者: 日日日
- 出版社/メーカー: 新風舎
- 発売日: 2005/08
- メディア: 文庫
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (93件) を見る
幼いくせに老成した感じを出そうとしているのが何とも。漫画のような展開と文章なのにたまに挟む哲学っぽい台詞が小癪、な。これって一般文芸の範疇でいいんですかね?
いや、読み終えることはできるんだけど何か気分が悪いんだよね。すいません。
戦慄
恐ろしいのはこういう生活に浸りきっているうちにユーモアと感性が鈍っていくこと。あまりにも無粋で野暮な人間に成り果ててしまうこと。
山崎ナオコーラさんの文章が好きでいつも微炭酸ニッキを読んでる。朝日新聞土曜版の「be」に連載もあるよ。ていうか、小説よりこちらのエッセイ風の文章のほうが素晴らしい。ってことを言うと作家としては心外なのかな。彼女の評判はあまり芳しくないようだけど(超独断と偏見による!!無礼千万!!謝!)応援してます。「ストーリーは天賦のものだとしても文章は修練を積めばある程度まで書けるようになる」ということを聞いて、ほんとかなぁと思いながら無意味な夢想に耽ってます。ニンマリしながら。求む、全能感。
人と話さないと言葉の取捨選択が下手になってしまうのな。そんなの口語で使わねえよ!、って後から思う。
ふっと文章を思い浮かべても書き留めたりしないのであっという間に忘れてしまいます。依然蓄積ゼロ。何事に対しても腰が重いのは相変わらず。
“相変わらず”という言葉を多投します。
夜の、窮屈な電車からやっと解放された家路途中で発作的に言葉が浮かんでくることが多いです。この間は改札での人ごみを見ててフッと。駅に住めばいいのかな。
煩わしいんだよ、何もかもが。今日は予備校を明日に回して一日中引き篭もってやったぜぃ。惰眠を貪って洗い物と掃除をしてやったぜぃ。外は雨。久しぶりにこういう一日を作ってあげてもいいよな?
三羽省吾「厭世フレーバー」
- 作者: 三羽省吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
このコピーにピンときた人もこなかった人も一度手に取ってみることをお薦めします。上のコピーと本文内容は一切一致していません。これは気分爽快な青春群像小説です。各人の一人称で語られる五人の話。どれもがうまいです。
羅針盤
うへぇ、吃驚。定期的に内容を消失させ、その中身は拙く、最近では更新さえ滞っているこんな僻地が、カズノコさん*1には認識されていました。その存在を認めてくれていました。感動?気持ちの昂ぶり?繋がることの喜びは得られ難い至福の感情です。
精神的に不安定で土台の脆弱な僕は、最近は考えることを放棄し、つまらなくくだらない自分の殻の中に閉じこもることにしていたのです。もう考えることに疲れました。主観こそが全てのこの世界で、肝心の自分自身が己を絶望の闇に陥れているのです。どこに救いようがありますか?勉強という名の架空の理由(しかも努力と実践は伴っていない)に救済を求め、自分を満足させ感覚を殺していく。成長は無いでしょう。これからに可能性を感じることはできません。
でもまぁたまには愚痴とか書いたりしようかな、とリンクを貼っていただいて思ったりした次第です、調子に乗って。偉そうな書評もどきの文章はもう書かないでおこうと思います。ゴミブログであるように、個人的に印象に残った一文を引用するだけの記録にしようと思います。まったく生産性の無い自己満足極まりない内容です。でもいいんだと思い込ませます。暫く、ちょっとやってみようと思います。拙い愚痴吐きをほんの時々織り交ぜながら。
とにかく。嬉しかったです。