from 図書館
涎の出そうなラインナップの予約本が大量に到来。時間が無くて読まずに返却という事態が予想されてしまうのが歯がゆい。
間人主義というらしい。
必要とされないことは哀しい。そりゃあ自分が何か大きなものを生み出せるなんて思ってもいないけど、他者との関係の中でしか存在価値を見出せないからなぁ。求められないことは否定されていることと同義でいたたまれない気持ちになる。まぁ実際のところそう*1なんだろうけど。
これからは付加価値を生み出せないと存在が許されない時代なんだろうな。のほほんと構えているだけで来るものを拒まず去るものを追わずの姿勢では淘汰されてしまう。勿論殺されはしないけど、認識という形の中で消される。抹消される。
叫んでも届かないし、叫ぶ言葉も見つからないし、挙げ句搾り出したその言の葉たちは無残にも元から無かったかのように散って消えていく。
それでも自分をアピールしろって?冗談じゃないよ。
人間関係と就職活動。今僕の頭の中はこれだけしか詰まっていない。
*1:つまり否定の烙印を押されているということ。
はてなも
すっかり重くなってしまいましたね。
絲山秋子「海の仙人」
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/08/28
- メディア: 単行本
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あれだけ完成度の高かった「イッツ・オンリー・トーク」*1から更なる高みに昇りつめることができるんですね。これが僅か二作目。これはとんでもないことじゃないですか?
著者の見ている世界が知りたい。包まれている世界を知りたい。
人物造形と風景描写、独特の世界観とその敷居を低くする“ファンタジー”という設定。p.75の場面なんか思わず涙が出そうになったよ。快哉の涙ね。何も言い表すことができないから、ホントに一度手にとって是非読んでほしい。至高の作品です。
*1:何とデビュー作!
絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/02/10
- メディア: 単行本
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ぬるい生活に浸りっきりの中、従兄弟が思わず再生していく。人との曖昧な距離感を求めていて、その人間関係が優しくて好感が持てる。特段の意味づけの無いごく身近な行為のようなセックスの存在も、低い温度だから鼻につかないし。収録作「第七障害」も良かった。
すごく、無駄のないような印象。読んでいるほうは目を離す隙がない。
いい作家さんに出会えました。